樺細工(かばざいく)とは?特徴、魅力をまとめました!

2020年8月23日

ライターのライカです。秋田県の角館(かくのだて)にある日本の伝統工芸をご存知ですか?使うほどに光沢を増す自然素材の個性をもつ木工品、気になりますよね。

樺細工とは

ヤマザクラ類の樹皮を用いて作られる工芸品を樺細工(かばざいく)といいます。独特の技法によってヤマザクラの樹皮特有の光沢を生かした、渋くて奥深な色合いが、名実ともに伝統的工芸品として広く愛用されています。代表的な製品として茶筒・茶櫃等のお茶道具類、文箱、茶だんす、ブローチ、タイピンなどがあります。

工芸品名樺細工
よみがなかばざいく
主な製品茶筒、文箱、茶箪笥、ブローチなど
主要製造地域秋田県仙台市角館
指定年月日昭和51年2月26日

樺細工の歴史

樺細工が生産されるようになったのは18世紀頃

樺細工の発祥は、18世紀末。秋田県北部の阿仁(あに)地方の者から技法を伝授された「藤村彦六」が創始者とされています。彼は、当時角館を統治していた佐竹北家の家臣でもありました。佐竹北家の城主に保護を受けた樺細工は、下級武士の副業・内職として広く普及。その後の明治期には、町人衆の間にも技術が広がり、角館(かくのだて)町の地場産業として定着。明治期は、当初つくられていた印籠(いんろう)などの小物ではなく、たばこの普及と足並みを揃える形で「胴乱(どうらん/たばこ・薬入れ)」の需要が増加しました。その後は、優れた工人達によって今日にも見られる茶筒、硯箱などの小箱が作られるようになり、問屋制度などの流通も整備・確立されていきました。

下級武士の副業として生産されていました

明治以降は、有力な問屋の出現が樺細工を安定した産業に導いていきました。特に長松谷商店は販路拡張、製品の大量生産化、工具の改良などで産業の底上げを図りました。また職人育成にも力があり、経徳斐太郎、黒沢清太などは、その後の時代に影響を与えた「木地もの」という技法を確立しました。

大正期以降は名工「小野東三」が時代をリード。特に昭和17年からの3年間は柳宗悦らの指導のもと、優秀な弟子たちと臨んだ日本民芸館における伝習会での成果は、今日の樺細工の礎を築いたといっても過言ではありません。

現在、樺細工は従事者120名、年間生産額9.5億円という、角館の基幹産業に成長している。

樺細工の魅力

樺細工は山桜の樹皮

樺細工は山桜の樹皮で出来ており、樹皮をはがしても再生する環境に優しい素材です。その語源は万葉集の長歌の中で、山桜を「かには」と表現したものが後に「かば」に転化したと言われています。
山桜の樹皮の表情を生かしたものは「霜降皮」、樹皮を薄く削り研磨したものは「無地皮」と呼ばれます。

山桜を守るための皮の採取の決まり

皮の採取には、地表からの高さと採取面積に決まりが設けられており、制限を超えると山桜が枯死するとのです。
樺細工を後世に受け継ぐためにも、資源を大切にし環境に優しく製造しているようです。

使うほどに光沢を増す自然素材の個性

茶筒のように日々手に触れるものは手沢によって光沢を増し、山桜独特のつやを保ちます。桜の樹皮の素朴な手触りや温もり、そして自然の美しい光沢だけではなく、防湿・防乾にも優れており、高い芸術性と機能性を誇るのが「樺細工」の魅力です。また、使用する樹皮には、あめ色でまろやかな光沢をした「あめ皮」や、光のあたり方によって銀色に見える「銀系皮」など、10種類ほどあり、そのどれもが異なる味わいを放ちます。天然の素材である樹皮は、同じ表情のものがないだけに、自然と愛着が湧きます。一方で、茶筒や文箱、硯箱、宝石箱の他、ブローチやペンダントなど生活に根ざした商品が豊富なことも大きな特徴です。

世界でも類を見ない樹皮工芸と言われる樺細工

昭和51年(1976年)には、秋田県で初めて国の「伝統的工芸品」に指定されました。 樺細工は“一属一種”の世界に類例のない工芸品であり、自然素材の美しさ、温かさによって広く愛されています。

樺細工の技術・工法は大きく次の4つ

型もの(仕込みもの)

木型を使って仕込む技法。茶筒、印籠、胴乱など

木地もの

硯箱、文庫、飾り棚、茶櫃、重箱などのいわゆる箱もの

たたみもの

皮を何層にも膠を使って貼り合わせたブロックをつくり、それを削って造形する技法。ブローチ、カフス、タイピンなどの装身具、印籠、胴乱の根付など

文様付け

茶筒、茶櫃や色紙掛けなど他の製品への文様付け

樺細工の施設

角館樺細工伝承館

仙台市の施設で、館内では樺細工の制作実演が行われており職人の細かな技術を間近に見学することができます。町の工芸、文化、歴史の関係資料が展示されています。また、物産館や喫茶室も併設され、ゆっくりと観覧が可能。(田沢湖角館観光協会HP https://tazawako-kakunodate.com/shops/272

樺細工の販売元・オンラインショップ

秋田・角館の樺細工(桜皮細工)スペシャルショップ

複数の老舗工房とのタイアップにより「確かな製品」をお届けする樺細工総合販売(HP https://ldt.co.jp/kaba/index.html

伝四郎

1851年より六代にわたって自然の素材である桜皮と向き合いながら、樺細工を作り続けている角館 伝四郎。(HP http://fujikidenshiro.co.jp/

樺細工 八柳

創業100年以上を刻む樺細工の製造販売元(HP http://www.yatuyanagi.net/

いかがでしたでしょうか?資源を大切にしながら素材を生かした伝統工芸、ひとつひとつ表情の違う製品、木のぬくもりは素敵ですね。以上、ライカでした!