仏壇の産地で最北端!山形仏壇 の歴史や魅力|特徴|値段| ブローチにも?

家に仏壇はありますか?山形の伝統工芸品であり最北端の仏壇。調べてみました!

山形仏壇の歴史

江戸前期に技術が入り、中期には確立した山形仏壇

江戸時代前期、京都方面とで行われていた紅花等の取引で人の往来も多くなりました。そうすると文化の往来もあるため、京都から仏壇、仏具の存在、技術が山形地域に入ってくるようになります。江戸時代中期、初代星野吉衛兵が江戸(東京)浅草の後藤茂兵エ門に入門、そこで木彫技術を学び、山形へ持ち帰り、欄間、仏具等彫刻を業としました。二代目吉兵衛も江戸へ出て後藤門に入り彫刻を学んで帰郷します。

というわけで、はじめは江戸浅草まで行き技術を学びに行って山形へ持ち帰っていたようです。
山形仏壇は、1980年(昭和55年)3月3日に経済産業大臣より「伝統的工芸品」の指定を受けました。

木地、宮殿彫刻、金具、蒔絵、漆、箔押し、仕組|分業制で作られる山形仏壇

山形仏壇は製造工程も多いため分業で作られます。明治期になって量産をスタートする際も、木地、宮殿彫刻、金具、塗、蒔絵、箔押し、仕組と七つの仕事に分かれた分業制をとったそうです。例えば木地師と呼ばれる仏壇を形作る職人は、まず木を選定し、素地を整えていきます。山形仏壇の特徴である美しい木目は木地師によって作られるそうです。

山形仏壇 - 制作工程

良質な漆や木材資源が豊富なことで山形仏壇が盛んになる

漆塗師、蒔き絵師、金工錺職人等を統合し仏壇の制作が始まります、山形県の村山盆地は良質な漆がとれ、漆工業が賑わう土地になりました。また、木材資源も豊富で木工業も盛んでした。その歴史のなかでいまでも作られている工芸品のひとつが山形仏壇でもあります。

仏壇を家庭にまつる風習が発祥したのはいつ?

わが国で家庭に仏壇をまつる風習が発祥した由来は諸説あるそうですが、その中の一つに、江戸時代以前に浄土真宗の門徒の間で始まったというものがあります。本山や寺院を模して作ったといわれているのが、日本でもよく見る伝統的な「金仏壇」。後に、仏壇が一般庶民に広まったのは、すべての人が寺院檀家に入る「檀家制度」が開始された江戸時代に入ってからです。社会が安定すると、日々仏壇に向かって拝み、先祖の命日には僧侶を招いて供養するといった現代につながる日本の風習が生まれました。

【山形仏壇 歴史まとめ】

●紅花を中心とした特産品の交易によって京都方面への往来が増加、仏壇・仏具の製造技術、文化が伝わった。その後、浅草に出向き修行をし、山形へ技術を持ち帰った。
●森林資源が豊富で環境に恵まれ、すでに木工や漆工業の技術が成熟していた。
●明治以降、分業制で仏壇を製造することになった。そのことで伝統技術が保持され、より高度な技術を持った職人が育っていった。

山形仏壇の特徴

木や漆といった天然素材のぬくもり | 山形仏壇

山形仏壇はまず、けやき材を使ったほぞ組による頑丈な作りが特徴でもあります。木地全面にケヤキ、センなどの木目板を張ります。木目を活かした漆塗りによって、全体的に落ち着きのあるあたたかなぬくもりを出しています。盆地という気候柄、もともと漆工業が盛んだったのが山形。漆だけでなく、蒔絵、金工錺(きんこうかざり)などの職人も育つような環境がありました。そこに彫刻の技術が伝わることで、仏壇づくりが始まったと言われています。

堅牢性があり荘厳さも持ち合わせる | 山形仏壇

木や漆といった天然素材の温もりのほかに、堅牢性が特徴的な山形仏壇。その特徴として、けやき材を使ったほぞ組による頑丈な作りがあげられます。最も北限にあり、堅牢で荘厳さの中に木のぬくもりがあります。名古屋仏壇や京仏壇のような華やかさや派手さは山形仏壇にはありませんが、代わりにすっきりとした美しさがあります。どちらも素敵ですね!

7つの工程に分けられる分業制 | 山形仏壇

堅牢な作りが特徴の山形仏壇ですが、そのの製造は木地・宮殿・彫刻・金具・塗・蒔絵・箔押しと仕組の7工程に分類され分業化されています。明治以降は各工程を専門の職人が分業して仏壇を作り上げています。しかし近年は職人の減少により、掛け持ちをする職人もいるのだとか。

山形仏壇 7つの工程

①仏壇本体の部分を木で素地製作する「木地(きじ)」
②内陣に置くための宮殿を製作する「宮殿(くうでん)」
③欄干や柱を豪華に飾る「彫刻」
④錺(かざり)金具の製作「金具」
⑤木目を活かし本体に漆を塗る「塗装」
⑥漆で図柄を描いて金銀粉を蒔く「蒔絵」
⑦金箔を貼り組立てる「箔押・仕組」

【山形仏壇の特徴 まとめ】

●肘木組による宮殿造りで堅牢性が特徴
●欄間・柱を飾る唐草模様、菊・花・鳥・天女などの派手な飾りのものもあるが、スッキリしたものも多い
●金具に黒色に着色した唐草模様に沈金を施した豪華な金具
●漆を使用し、天然素材の温もりをもたせつつ何度も塗り研磨を行って仕上げる上塗り
●純度が高い金箔(第一号の金箔,伝統工芸箔)を使用した伝統的な金仏壇製造

山形仏壇の地域の取組

心おだやかになれるブローチ

伝統的工芸品である山形仏壇の彫刻師が一つ一つ手彫りしているkiboriブローチ。素材に仏壇彫刻に使用される白く美しいシナ材を使うそうです。伝統的に使われている鳥や雲などのモチーフからきているらしく、「山形仏壇」の伝統を守り続けたいという思いから生まれたそうです。

現代の住宅に対応した和洋どちらにも合う仏壇造り

●昨今の唐木仏壇や家具調仏壇、安価な海外製品の普及、そして住宅様式の変化により仏壇を置く家は減少しています。そこで、和洋どちらのタイプの現代の家にも合うような意匠開発事業に取り組んでいるそうです。小型のものなども多く出ています。
●平成26年度から始まった取り組みとして、山形県産材(金山杉等)を使った仏壇製作への挑戦がスタート。原材料対策事業として取り組んでいるそうです。

「新・山形仏壇」研修スタート

山形県仏壇商工業協同組合では現在、新たな事業をスタートさせているのだそうです、そのひとつが研修事業となります。以前から製造工程ごとに分かれて研修会を行ってきましたが、平成21年度から、現代の居住空間を配慮したデザインを生む「新・山形仏壇」の研究会を開始。初年度は木地部が研修を行い、順番で年度ごとにすべての部会が開催するスケジュールで進んでいるのだそうです。さらに、全国に向けて需要開拓事業も行うなど、組合をあげて産地の発展に励んでいます。